人間が馴れることのできぬ環境というものはない。

トルストイ

人間は習慣の奴隷である。

私は大学に初登校する日、
卒業した高校に行く電車に乗ってしまった経験がある。
高校3年間の習慣がそうさせたのだ。

習慣になれば身体が勝手に動く。
習慣の力を見ていこう。

習慣の力の実例

1日3食の習慣

日本人が1日3食の食事を取るようになったのは江戸時代からだと言われている。
それまでは2食で済ませていたのだ。

1日3食に慣れた現代人が2食で生活をするのは難しいだろう。

ただし、食事の回数が増えたのは燃料が普及して起きている時間が増えたこと、すなわち1日の消費エネルギーが増えたことが一因とされており簡単に比較することはできない。

とは言ってもアウトドアでお陽様とともに生活しても3食分食べずにはいられないだろう。

シャンプーの習慣

「5日に1度はシャンプーを!」

これは昭和40年代、前の東京オリンピックのころのシャンプーのキャッチコピーである。
当時週1回もシャンプーをする習慣がなかったことがうかがえる。
現代人がこれに耐えられるだろうか?
当時の人も気持ち悪さを感じていたのかもしれないが、
それを当たり前の習慣として受け入れ、生活していたのだ。

労働習慣

仕事がきつくてもなんとか続けていけるのは労働が習慣化されているからだ。
お盆やGWなど連休の後に仕事に行くのが辛くなるのは、
労働の習慣が途切れたから、自由という習慣をつまみ食いしたからである。

人類はつらい労働を習慣化することに腐心してきた。

旧約聖書にもその痕跡がある。
信仰によって習慣を作ろうとしたのだ。

こうして天と地と、その万象とが完成した。
神は第七日にその作業を終えられた。
すなわち、そのすべての作業を終って第七日に休まれた。

創世記

六日の間は仕事をしなさい。
七日目はあなたがたの聖日で、
主の全き休みの安息日であるから。

出エジプト記

その後ヘンリー・フォードや松下幸之助は時代の変化に応じて労働習慣を保つために週休二日制を導入した。

ダイエット習慣の奴隷になれ!

このように習慣は強力である。
つらいことでも習慣化されれば続けることができる。
ダイエット習慣の奴隷になることができれば勝ちだ。
反対に易きに流れてしまうと元に戻ることは難しい。
デブ習慣の奴隷になっているならすぐにでも脱走しなければならない。

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